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しあわせは歩いてこない

2015年03月15日

しあわせは歩いてこない

 「しあわせは歩いてこない だから歩いてゆくんだね
  一日一歩三日で三歩 三歩進んで二歩さがる
  人生はワン・ツー・パンチ
  汗かきべそかき歩こうよ
  あなたのつけた足あとにゃ きれいな花が咲くでしょう」

 Picture45年前に水前寺清子さんが歌った「三百六十五歩のマーチ」が大ヒットしました。
 幸せはこちらから取りに行かなければならないものだと思います。あるいは作っていかなければいけないもの。しかもそれは自分自身でやらなければならないということです。幸せだと思えばそれで幸せになるんだ、という人がいます。思うためには、思えるための背景が必要です。その背景は自分で作れるものと作れないものがあります。

 ブータンのGNHが有名になって15年くらいになるでしょうか。GNPよりもGNHを大事にして国づくりを進めていく、という国王以下政府高官が力強く唱えた勇気に喝采をおくりました。そして幸せになるには物質的豊かさだけでなく精神的な豊かさが大事なのだということに気づかされました。これまで2回行われた国政選挙の政党公約は、いかなる政党もその公約のおおもとにGNHが掲げていました。したがって、政策の実施においては、GNHを基本にした政策理念をもって教育、医療、環境、行政、農業、建設、通信等さまざまな分野で国づくりが進められています。GNHをベースにした国づくりは、幸せと思えるための背景づくりです。国政、あるいは地方行政の政策が人々の幸せを第一義として実施されることはすばらしいことです。
 だからといって個々の人々が幸せになれるという保障はありません。

 個々人が幸せとなるための背景(社会の平和や安定、恵まれた自然環境、活気のある地域など)が整えば、次は幸せを引き寄せるためにさまざまな努力が必要になります。例えば仕事に精一杯取り組むとか、家族との時間をできるだけ多くするとか、地域のために奉仕活動をするといったようなことでしょうか。
 しあわせは歩いてこない、だから歩いて獲得しなければならない。山あり谷あり、前に進むだけでもたやすいことではないかもしれません。しあわせはそんなつらい思いをしながら歩き続けてやっとたどり着いたところにあるのでしょう。

文責 津川 智明

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