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たまには実家に帰りませんか?

2014年04月01日

たまには実家に帰りませんか?

 人が幸せに過ごす上で「人間関係を良好に保つ」ということがとても重要だということに、賛同される方は多いのではと思います。本稿では人間関係、特に親との係わりについて考えてみたいと思います。

 ギャップ社は1950年代から“元気で充実した人生を生きるために何ができるか”というテーマに取り組み、150ヶ国にわたるグローバル調査を実施し、幸福研究を進めてきました。『幸福の習慣』で紹介されている人の幸福を決定する5つの要素として、①仕事の幸福、②人間関係の幸福、③経済的な幸福、④身体的な幸福、⑤地域社会の幸福が挙げられています。

 ②人間関係の幸福とは「強い信頼と愛情でつながっている人間関係を持っているかどうか」ということです。本書の中では「幸せになりたいなら、収入を増やすよりも、よき家族や友人との関係を強める方が効果的」だと結論付けた研究結果が紹介されています。

 人間関係といっても様々なものがありますが、みなさんは親との関係のあり方をどの様に考えていますでしょうか。一度、実家を出てしまうと、なかなか親との関係を意識的に考える機会は少なくなるかも知れません。筆者も大学進学を機に実家を出て、早10年以上が過ぎました。この10年近くの間、実家に帰るのは年に1~2回です。

 あるお盆の時期、実家に帰省しているときにたまたま聞いていたラジオ番組で、こんなリスナーの投稿が流れていました。「私が、実家に帰るのは年に1~2回です。親の年齢や日本人の平均寿命を考えると残り20年×2回の40回くらいしか親に会う機会がないかと思うと、なんだかとっても寂しくなります」と。自分が置かれている状況とまったく一緒だったので、しみじみとしてしまったのを覚えています。

 今年のお正月は妻の実家に帰省していたので、3月の3連休、自分の実家に帰省しました。帰省中の年老いた父母と話す貴重な時間、両親が孫と遊ぶ笑いが絶えない時間。そうした時間は、自分にとって非常に重要で、明日を生きる活力になっていると改めて感じました。それは両親にとっても同様だと思います。家族が喜んでいる姿を見るのは、自分自身にとって大きな力となります。

 最近、実家に帰ったのはいつですか。 実家で大切な家族と過ごすほんの少しの時間こそが日々の暮らし幸福感を高める、大切な要素かも知れません。


【参考図書】
・トム・ラス、ジム・ハーター著、森川里美訳『幸福の習慣』ディスカバー・トゥエンティワン、2011年

文責 斉藤 光弘

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