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その人のしぐさを見て決めよ

2014年04月01日

その人のしぐさを見て決めよ

 外国生活ではタクシーを使う機会が多いと思いますが、これは少しストレスになります。日本とは違い乗車拒否はする、酔っ払い運転もいたりするし、暴走族のような運転をする人も居たりと皆さんも一度や二度は嫌な経験をされていることでしょう。

 だから私はタクシーに乗る時は色々な事を注意しています。まず助手席のドアを開けて運転手に行き先を告げます。その時にお酒のにおいがするようですと一発NGですよね。運転手の応対や態度を見て乗るか乗らないかを決めています。

 第一印象で人を判断するなとよく親から言われましたが、途上国では出会う人は結構第一印象通りだったりします。顔つきが険しい人はやはり非友好的だったり、しぐさがぞんざいな人は性格が荒かったり、日本人より分かり易く、見た目そのものの人が多いです。

 場所は変わってとある南アジアの国。そこで暮らす人たちは貧しいながらも立ち振る舞いが実に優雅です。男性は必ず笑顔で女性に気遣い、お年寄りを大事にします。大事されたお年寄りもどうどうとしていて、見ていてとても気分の良いものです。

 「人はね、そのしぐさを少し変えるだけで自分を取り巻く皆を幸せにも不幸にもできるんだよ」その国で一緒に働いていた友人が言いました。「社会の雰囲気を良くするもの大人の役割だからね」彼らは自らのしぐさで社会貢献していたのです。

 江戸商人は今と違って商売をする相手を瞬時に信用できるかどうか見分けなければいけませんでした。ちゃんと勘定を払うのか、海千山千の人を見極めないと商売が立ち行かなくなることもあったそうです。そこで【その人のしぐさを見て決めよ】という心得が生れたのでしょう。

 目つき、表情、ものの言い方、身のこなし、を見れば、その人の品性や教養は大体わかりますよね。あまり人を疑うのは良くありませんが、外国では、人を洞察する、人を見抜く、これらの事は最低限生き抜くには必要なことに思えます。

 逆に日本ではこうした社会におけるしぐさが重要視されていないように思います。自分のしぐさが社会に与える影響を少し深呼吸して考えて見ませんか?これも粋な大人の素養の一つだと思いますよ。

文責 平山 修一

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