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【お金】とは

2011年12月18日

線引き

 転職35歳限界説という言葉を昔聞いたことがある。転職に年齢制限があるのは知っていたが概ね35歳~40歳が上限である。これを超えた志願者は有無を言わさず【不採用】となる。履歴書の中身も見てすらもらえない。

 話は変わるが、タイの洪水騒動は記憶に新しい。首都バンコクの一部(官公庁、ビジネス中心街、外国人居留区など)を守る為、累々と土塁が築かれ、そこで水の浸入を必死に食い止めている。土塁によって片側は水浸しで家、家財道具一式水没、避難民として避難所暮らし、しかし片側では今までと同様の生活が営まれている。
 原発施設から半径30Kmは・・・との報道が耳に入る。半径29Km地点に居住する人と半径31Kmに住む人とはどう被害が違うと言うのだろうか。適応される制度が違うだけで、状況は様々な外部条件に左右されるであろう。それを一律にというのは無理がある。

 こうした事象に共通している事は【これら線引きの作業は全て何らかの制度を運営している側の都合で決められている】と言う事である。決して線を引かれる、区別される側の立場では物事を考えていない。
 こうした区別によって、一かゼロかの線引きが行われる。これは運営側にとっては思考を伴わず事務的に物事を進めるには最適である。言い換えれば効率的に事務作業が進められる。しかし区別される側にとって見れば、程度で考えて欲しいと思っているはずである。

 総括するとこうした線引きを行う側は、あくまでも線引きされる側の顔が見えていない。つまり、線引きされる側が線引きされる側との面識がなく、事情が分からない、もしくは業務量が多い場合は機械的に線引きされ【区別・分類】されるのである。
 私たちの社会生活は個人的な事情で溢れている。全ての個人的な要求が通るとは誰も考えていない。しかし、少しは考慮して欲しいと思うのは普通の感覚であろう。こうした対応が出来る為には全ての事柄には適切な人口サイズがあるように感じる。

 

文責 平山修一

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