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【お金】とは

2011年08月29日

日本人はお金持ち?「お金の使い方を考えてみよう」

 自分が「金持ちかどうか?」と聞かれれば、多くの人は違うと答えるであろう。お金とは不思議な物で、幾らあってももっと欲しいと思ってしまう。通常の欲と違って「もうお腹一杯です」という状態が無い。

 生涯賃金数億円などと言われている一般のサラーリーマンが自分の思い通りに使えるお金の金額は知れている。しかもその収入の多くが住宅ローン、生命保険、子供の学費、生活費、車のローンなどに消えるのであろう。
 「あれもしたいし、これも買いたい。でも将来が不安だからお金は取っておかないと」多くの日本人の思考パターンである。これだけまじめに働いて、将来が不安だというのは悲しい話である。そういう社会で良いのか、本気で議論が交わされるべきであろう。
 大前研一氏の講演に寄れば、先進国の多くのビジネスマンと違い、日本人は死ぬ瞬間に一番多くのお金を持っているそうである。つまり自分が死ぬ事による保険金等が入るからであろう。幾らお金持ちになったって死んだら使えないのは自明の理である。
 それではあまりにも悲しいと思うのは筆者だけであろうか。

 もちろん次の世代や自分の家族に死んで資産を残すのは決して悪いことではない。幾ら残せばいいのかなど決まった金額があるわけでもないので、家族の為を考えて残せるだけ残そうと考えている貴方は確実に良い父親であり良き夫であろう。
 しかし、それで本当に貴方は納得しているのだろうか。自分を押し殺し、自分のやりたい事を我慢して、こつこつとお金を溜めるだけの人生。しかも今の日本では、ほぼ金利ゼロの銀行にいくらお金を貯めても、増える事はない。

 ここで、いかに自分の生涯を通じてお金を有効に使うかを考えてみても良いのではないかと筆者は提案する。これは自分の一生をどう生きるかを考え直す行為にも繋がる。読者の皆さんは自分のバランスシートを作ったことがあるであろうか。バランスシートによって自分の資産を正確に知っておく事は無駄ではない。
 自分はどう生きたいのだろう。自分は何に価値を見出し、自分が生きた証に何をしたいのか、何を達成したいのか、考え出したら中々明確な答えが出せないかもしれない。しかし、こうして考えがまとまり、その有るべき自分の人生の為にお金を有効に使えたらなんとも有意義な人生を送ることが出来るのではないか。
 短期的な資産運用を考えるも自分、長期的に社会貢献を行なう企業に積極的に投資するのも一計。自分の金融資産に対して責任を取る事をもう少し日本人は考えてもよいのではないかと思う。

 

文責 平山修一

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