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義足のイルカ

 沖縄県の美ら海水族館で、原因不明の難病で尾びれを失ったイルカ、フジが、人工の尾びれを装着してリハビリに励んでいるそうである。これはブリジストン社がF1レースに使用されている素材を用いて、可能にしたとの事である。この記事には正直驚いた。
 「おそらく世界初の試み」な人工尾びれを着けたフジは高さ3mのジャンプを跳べるようになったそうである。他にも義足のキリンや車椅子の犬など多くの動物たちがその障害を乗り越える為に諸々の技術が使われているそうである。
 障害をもつ事、これには悪いイメージが常に付きまとっていた。障害を持つからこそ通常より劣るといった間違った考え方が一般社会にはあるように思える。だからこそ筆者はこの価値観を根底から覆す再生医療の研究に期待をしている。

 2007年7月13日、ローマの陸上大会(ゴールデン・ガラ)400m走で、義足のランナーが健常ランナーと一緒に走り2位に入賞した。南アフリカ出身のオスカー・ピストリウス選手は、先天性の障害により両足とも膝から下を切断しカーボン繊維製の義足を装着している。
 つまり身体的障害を持っていたとしても、そこに技術と、その技術を使用できる資金があれば、通常の人間よりはるかに優れた能力を持つことも可能になるのである。まさに筆者が子供の頃に夢見たサイボーグの世界そのものである。
 人口水晶体の技術が進歩すれば、赤外線を感知して認識できる目が作れるのかもしれない。360度回転する関節を持った義手は、今まで人間ができなかった動きを可能にしてくれるであろう。これらは決して未来の物語ではないのである。

 2007年7月13日、ローマの陸上大会(ゴールデン・ガラ)400m走で、義足のランナーが健常ランナーと一緒に走り2位に入賞した。南アフリカ出身のオスカー・ピストリウス選手は、先天性の障害により両足とも膝から下を切断しカーボン繊維製の義足を装着している。
 つまり身体的障害を持っていたとしても、そこに技術と、その技術を使用できる資金があれば、通常の人間よりはるかに優れた能力を持つことも可能になるのである。まさに筆者が子供の頃に夢見たサイボーグの世界そのものである。
 人口水晶体の技術が進歩すれば、赤外線を感知して認識できる目が作れるのかもしれない。360度回転する関節を持った義手は、今まで人間ができなかった動きを可能にしてくれるであろう。これらは決して未来の物語ではないのである。

 人の範囲を超えた力を自分が持つことは個人的には反対である。自分の分不相応に大きな力を持った時に自分の心が多くの欲を制御できるか自信がないからである。ほどほどが一番とは昔の人はよく言ったものである。
 技術は、ヒトにも適応され、よりQOLを高めるために使われるべきであろう。軍事技術を基本的に否定する日本だからこそ、この倫理を世界に先駆けて確立し、世界に対して再生医療や再生技術の平和利用をリードできるのではないか。

 

文責 平山修一

参考文献:「今そこにある未来」(未来工学研究所メールマガジン)2007.8.30号

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