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立ち位置
2003年のヒット曲『世界に一つだけの花』は、♪僕らは世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい♪ と歌いあげる。ヒットの要因が人気者の歌い手達にあるのか、曲なのか、歌詞なのか定かではないが、「自分は自分、他者と比べることはない」と受けとれる歌詞に、一種の慰めを感じた人々が少なからずいたことは想像できる。
他方、1978年に世に出て以来、ファンの間での人気投票で不動の一位を誇る『主人公』は、その最後で♪自分の人生の中では誰もみな主人公 私の人生の中では私が主人公 ♪ と歌う。「活力ある前進姿勢」とは言えず、確かに「ささやかな幸せに安住している姿勢」ではある。しかし、他者との比較を排した立ち位置は、自分を損なう感情を持つことなく、時には他者に実害まで及ぼす状況を生み出すこともなく、穏やかに過ごせるのではないか。
なお、本稿は作曲技量、歌唱技量は一切考慮していないことをお断りしておく。それぞれの歌詞全文は下記を参照されたい。
『世界にひとつだけの花』
『主人公』
文責 山本けいこ |
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