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「万博へ行こう」

 今年最大のイベントとなる「2005年日本国際博覧会」、愛称「愛・地球博」。今回のテーマはズバリ「自然の叡智」。我々を取り巻く「環境」について、持続可能な共生の手段を全地球的視野で未来に向かい追求していこうというもくろみである。

 第>1回の万博は>1851年、ヨーロッパで始まった産業革命を背景にロンドンで行われた。万博は常にその時代のニーズにあった夢や未来の姿を披露してきた。思えば1970年の大阪万国博覧会も物で世界中が便利になる時代を背景に、「人類の進歩と調和」をテーマに科学技術を中心とした近未来の生活のイメージを提示した。高度経済成長期にあった我が国での博覧会は、科学技術で世界をリードする、その後の日本を予言するものであったと言える。

 今回の万博の開催を前に、万博終了後のホスト国「日本」の環境問題に対する取り組みが注目されている。一般的に環境と言うとすぐに頭に浮かぶのは「環境破壊・公害」であるが、今回の万博会場建設にも環境配慮の不備が指摘され厳しい滑り出しとなった。

 環境配慮は避けられない問題ではあるが、日本がこの先、環境先進国となっていくために、この問題のみを取り扱って京都議定書あたりで足踏みしている様では不安が残る。我々の周りを取り巻く「環境」の定義は日々多様化し複雑化している。以前のように産業など手の届かない範囲の話だけではなく個人の日常にまでその範疇は広がっている。

 GNH(国民幸福度)もその研究の柱となりうる。如何にして、より多くの人々が「幸福」を享受できる「環境」というものを表現し、また整備していくのか。GNH研究は従来型の豊かさをリードしてきた日本が、今後中国や近隣国が経済発展を遂げる中、世界に提示していかなければならない「次世代の夢」である。

 

文責 高田忠典

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