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最も幸福になれる社会を考える

2014年11月15日

最も幸福になれる社会を考える

 皆さんは、次のことを自分がするのは、嬉しかったり、楽しかったり、やりたいと思ったりしますか?

  • 安くて、良いものを手に入れる。
  • 電車で、体の不自由な方に席を譲る。
  • 子に財産を残す。
  • 憧れの芸能人のイベントに多く行って、仲良くなる。

 あてはまるものが、いくつかあるのではないでしょうか。
 もう一つだけ、質問ですが、あなたが選んだもののどれか一つを、毎日、ずっとやるとしたら、どうでしょうか??
 これらの四つのことは、いつのため(今、未来)、誰のため(自分、他人)の二つの軸で、図1のように大まかに、分類できます。社会に関する様々な例も、分類しています。

 図1の左下は、今の自分にいいこと。安くて良いものを買うことが当てはまります。他に、営利企業は、一般的に、半期や一年ごとに利益を計上することが求められます(もちろん、それだけではありませんが)。図の右下は、今、他の人のためによくすること。席を譲ることが当てはまります。救急医療や、消防士さんの役割も、このグループになります。
 右上は、他人の未来をよくすること。子に財産を残すことや、第四代ブータン国王も(?)、この辺りでしょうか。最後に左上は、未来の自分によいこと。憧れの芸能人のイベントに多く行って、仲良くなることが、このグループです。他には、選挙で投票することや、勉強することなど。
 これら以外にも、例えば貯金、年金、趣味、プレゼントなど、皆さんも思いつくやりたいことや世の中のことを、ぜひ図のどこかに当てはめてみて下さい。

 次の図2では、横軸(誰のため)について、対照的な性質を大まかに表しました。

 私たちは、一人ひとり、自由に、自分の意思で、やりたいこと、幸福を追求すればいいし、それができる社会であること自体が、とても幸福なことです。そして、私たち一人ひとりが、最も幸福になれる方法は、最終的に、図のいずれかのエリアに偏るのではなく、複合的で、循環することにあるかもしれない、と考えています。

文責 山下修平
海外向け開発援助機関に勤務。大学院でブータンGNH政策のメカニズムを研究。

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